地域の誇りと挑戦の精神から生まれた、全国的にもユニークな祭り。
その誕生から現在、そして未来への展望を辿ります。
広島県東広島市豊栄町で開催される「どまんなか豊栄ヘソまつり」は、
町が掲げた一つの「宣言」から始まりました。
単なるイベントではない、地域のアイデンティティとしての物語がここにあります。
国土地理院のデータを基に、町内(板鍋山周辺)が広島県の地理的重心であることが分かり、「県の中心」であることを町の誇りとして発信しようという思いが高まりました。
加えて1990年前後の住民主体のまちおこし活動(トーク21の会・まちおこし実行委員会等)を背景に町おこしの機運が形成され、1991年(平成3年)の旧豊栄町の呼びかけで、1992年(平成4年)2月11日に「中国5県どまんなかサミット」が豊栄町で開催されました。
この豊栄町が「広島県のどまんなか」という位置づけは、「どまんなか豊栄ヘソまつり」の原点となっています。中国5県どまんなかサミットが開催後、全国のヘソの自治体との情報交流が刺激となり、1997年、ついに「第1回どまんなか 豊栄ヘソまつり」が誕生しました。
へそ踊りは、北海道富良野市や群馬県渋川市の祭りを参考にしながら、豊栄独自の形として作り上げられました。
お腹に顔を描き、身体全体でユーモラスに踊る姿は強烈なインパクトがあります。当初は参加者が集まるか不安もありましたが、商工会青年部の挑戦が実を結び、今や町内外から多くの人々が詰めかける名物行事となりました。
単なる仮装ではなく、以下の3点を厳格に審査します。
2020年から2022年、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止を余儀なくされました。
しかし、「回数のカウントを継続する」という決断が、地域の火を絶やしませんでした。2023年、第27回として4年ぶりに本格復活。会場の熱気は、祭りがどれほど大切かを改めて示しました。
2026年に迎える第30回。これは単なる通過点ではなく、地域の挑戦と継続が勝ち取った、輝かしい証なのです。
豊栄町に建つ「広島県の中心」を示す記念碑
「1990年代に算出された一つの正当なロジックを元に、記念碑を建て、祭りを行い、30年以上にわたって社会的な承認(既成事実化)を得てきた」という文化的な実績。
地元のテレビ番組(RCC『元就。』など)でも、これらの経緯を踏まえて「広島のへそにあたるのが豊栄町」と繰り返し紹介されており、社会的な既成事実としての根拠は十分に保たれています。